イタリアで運転免許と車を取得するまでの道のり
帰国の度に2キロから3キロは体重が増えるけど、毎回日本満喫でご機嫌のAsacoです。今回は日本のイルミネーションツアーとなりました!
束の間の日本滞在、思い出に浸る余裕もなく、ミラノへ戻ってからは車と免許のことで頭がいっぱい。
免許証交付から仮免へ逆もどり
イタリアで運転免許を取得する過程については、以前の記事「ミラノの日本領事館に車イスで行ってみよう!」で少しだけ書いたので今回は続きを。
10月下旬に陸運局から「免許証ができあがったよ!」と連絡があったので11月初旬に陸運局へ。
わーい!イタリアの免許証だー!と喜んでいたら、路上試験担当の窓口へ行くよう指示される。
免許証はあっという間に没収され仮免許証に交換されてしまった。
陸運局の説明は以下のとおり。
- 通常、免許の切り替えは免許証が発行された時点で、即運転可
- わたしのような改造車を運転する障害者は、改造車をちゃんと運転できるのかどうかという確認のため路上試験必須
- 免許証の準備ができたその日から路上試験に合格するまでは仮免許証
- イタリアの仮免は、10年以上の免許保持者が同乗する場合のみ路上運転可
- 路上試験は、自分の改造車(持ち込み)でも陸運局の改造車でもどちらを使用しても良い
と言うので、早速路上試験の予約!と思ったら、仮免交付から1か月は路上試験を受けられないという。陸運局へ出向いた11月初旬から1か月以降で予約がとれた日は今月の19日のみだった。
あ、でももうすぐ日本に帰るんだ。車の用意に運転の練習も。。。いつできる?
路上試験に自分の車を持ち込めるというのなら、自分の車がいい!
イタリアでわたしが運転できる改造車
どこで改造できる?ディーラー?専門の修理工場?購入と改造は別?それとも最初から改造車が売ってる?
いくら?新車はとても手が出ない。改造費はいくらなんだろう?
日本と同じ改造になるのか。車屋さんならどこでも改造車を扱うのか。
陸運局の職員に聞いたら、「それは。。。教習所にでも聞いてみなよ!(そんなことオレが知るかよ!)」って。
偶然、わたしの後ろで順番を待っている人が教習所(車に関する代行手続きも行っている)の人だった!
わたしの家の近くの自動車屋(兼修理工場)さんを紹介してくれたので、すぐにイタリア人の友だちにお願いして連れて行ってもらった。
わたしの場合、オートマ限定で手動のアクセルブレーキに改造されていないと運転できない。
イタリアはマニュアル車が多くオートマ車の流通が少ないため値段設定が若干高いとイタリア人の友だちは言う。
紹介してもらった自動車屋さんで事情を説明したら、なんと!
わたしにピッタリの中古車の情報が入ったばかりだと言う。
「車自体が届くのにはもう少し時間がかかるけど、車種や大きさなどはインターネットで検索できるから、どんな車か見てみて気に入ったら、その車でどう?中古車にしてはとてもいい状態なんだよ。
すでに購入を決めている車があるのなら、改造だけでもウチで扱うよ。」
その中古車、ネットで検索して見たところ文句なしに気に入った。大きさも日本で運転していた車とほぼ同じ。色も同じ。
イタリアの車の改造について、パンフレットを見ながら説明を聞いた。
日本の改造車と全く違う。運転している自分を想像できなかった。
日本の改造車:
手動のアクセルブレーキは一体で、レバー式。ハンドルの左下に設置されている。押せばブレーキ、手前に引けばアクセル。左手で手動のアクセルブレーキを常に操作するため、右手のみでハンドル操作ができるようハンドルにはドアノブのような取っ手がついている。
イタリアの改造車:
ハンドルの上に、ハンドルより一回り小さい輪が設置されていて、ハンドルと一緒に握る。この小さい輪がアクセル。ハンドルの右下にレバーが設置されていて、これがブレーキ。日本の改造車と大きく違う点はアクセルとブレーキが別ということ。両手でハンドルを操作するため、いざという時のために、常にブレーキに手をかけておくことができない。
約20年も日本の改造車で運転してきたわたしにとって、いちいちブレーキに手を置かないといけないというのは、怖い。まっすぐな道ならまだしも、カーブや右左折に差しかかった時はアクセルブレーキの双方操作にハンドル操作。
仮免状態で運転も可能だったため、車購入前に教習所の改造車を使い、どんな感じなのか練習した方がいいだろうという話になり、教習所へ。
イタリアで初の運転が、日が落ちた夕方遅くの車が込み合う時間。アクセルもブレーキも感覚が違いすぎて、何度もガックンガックン、急ブレーキになってしまった。
それから、まだ日本には数が少ないラウンドアバウト(円形交差点、環状交差点)。どの時点でどっちのウィンカーを出すのか、初めての経験だったためパニック状態に。集中している時はすんなりイタリア語が入ってこないということにも気づいた。
同乗した教習所の人の声がだんだんイライラしてくるのが分かる。しまいには「日本で免許を持っていると言ってたけど、どのくらいの期間運転してないの?」と聞かれてしまった。笑
この先の運転に不安を感じながらも日本に帰国する前に、車も決めて改造もお願いした。
後は、保険だ。
日本にいる間に、車の改造はしておいてくれると言う。中古車のため名義変更も必要だが、それも手続きしておいてくれるという。
保険は自分で探して入ることにした。が、イタリア人の友だちが、わたしの帰国中に、いくつかの保険会社から見積もりをとり保険料の比較をしておくから、心配するな、と。
イタリア人が心配するな、と言う場合、とても心配だ。笑
案の定、ミラノに戻る前に進捗状況を確認したところ、車もまだ準備できていない。名義変更もまだ。保険も見積もりが揃っていない。
ミラノに着いて真っ先に確認したら、名義変更を完了させるにはわたしの署名が必要だ。名義変更が終わっていないと保険にも入れない。
路上試験まであと数日という時だったので、運転の練習をしたかったが、運転どころの話ではなくなってしまった。
連日、あっちこっち手続き等のため動き、やっと保険に入れたのが路上試験の前日。
イタリアではなぜかこういうバタバタが多い。用意周到という言葉は日本人のためにあるようなものだ。イタリアには存在しないに等しい。笑
ギリギリなのになぜか丸く収まってしまうところがイタリア人の凄さだ。
そして、最後に得意気になって言うのだ。
「ほーら!なんとかなっただろう?!」って。
晴れて免許証取得!
そう!無事に免許証を取得したのだ!
Asaco、路上試験一発合格!(強調してみた。笑)
19日の14時半が路上試験の予約時間だった。家から陸運局まで車で約30分。余裕をもって13時に友だちと待ち合わせをして、わたしの運転で向かう。。。はずが。
手動のアクセルがうんともすんとも言わない!何度トライしてもダメだ。切り替えて足のアクセルを手で踏み込んでみたら動く。と言うことは、車自体に問題があるわけではなさそう。
時間はどんどん過ぎていく。同行してくれる友だちは10年以上の免許保持者だが、自分の車しか運転しないため、わたしの車を運転したがらない。わたしが運転するしかないのに、車をだせない。
自動車屋さんに連絡。昼休みで連絡がつかない。やっと連絡がつながり改造してくれた担当者のアレッシオ君(とっても感じのいい男の子なので、Asacoさんのお気に入りに登録!)と話した時には、すでに14時になっていた。電話で状況を説明するも原因が分からない。
頼み込んで来てもらうことにした。
彼が到着したら1分もしないうちに手動のアクセルがつながった!
すでにAsacoさんのお気に入りのアレッシオ君だったが、その時は救世主に見えた!笑
手動のアクセルはWi-Fiで飛ばしているため、接続させるには手順が必要なのだ。焦っていて接続するまでの時間を待たずに何度もその手順を繰り返し、しまいには間違った手順で接続していたことがどうやら原因らしかった。
やっと出発できたのが15時。途中渋滞もあり陸運局へ着いたのは16時。
予約時間なんかありましたっけ?っといった感じですっとぼけて受付を済ませて路上試験を受けたのが17時近く。
無事に免許証を交付してもらって帰路の運転中、アレッシオ君から着信が。
家に着いてから折り返し電話をしたら、予約時間をとっくにすぎた路上試験、ちゃんと受けられたかどうか心配してくれてたようで。
クリスマス前に新しい恋が始まっちゃったりして!うふふ!
(彼の名誉のために補足。わたしが勝手に楽しみ、彼は仕事を全うしているだけなのです。笑)
と、いつものごとく妄想が始まったのでこの辺で失礼いたします。
みんなにサンタさんから心温まるプレゼントが届きますように。
メリークリスマス!
最後まで読んでくれてありがとうございます。