鼓童 KODO がミラノに来た!

鼓童ワン・アース・ツアー2018 Evolution

佐渡を拠点とし世界的に活躍している、和太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能集団の鼓童(こどう)がヨーロッパツアー「Evolution」でミラノに来たので観に行ってきた。

バチを持った両腕を高く上げ、大太鼓に向かっている後ろ姿の写真が背景のパンフレット。

15年ほど前、日本で観に行き、心を打たれ涙を流した記憶が鮮明に残っていたので、今回のツアーは楽しみにしていた。

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Teatro Dal Verme (ダル・ベルメ劇場)

ミラノでの公演はミラノ市内中心地にある Teatro Dal Verme (テアトロ・ダル・ベルメ)。初めて入った劇場。

ところで、イタリア語で Verme と言えば、うじ虫やいも虫、みみずなどの小さな虫のことを意味する。劇場の名前を初めて聞いたとき、とっさに「虫の劇場?」と想像してしまった。

ネットで調べたところ、19世紀にこの劇場の場所にチニゼッリ・サーカス団の建物が建てられたのだが近隣住人の抗議が続いたため、向かい側に住んでいたダル・ベルメ伯爵が買い取って劇場に造り変えたそうだ。ということで、劇場の名の由来は「虫」ではなく、ダル・ベルメ伯爵。これは、これは、大変失礼いたしました、伯爵!笑

チケットの予約は、障害者割引が適用されることがあるため、オンライン予約の前に劇場に直接問い合わせることにしている。席も車イス用の席を確保してもらえる。

メールで問い合わせたところ、予約番号や料金、支払方法などの返信が丁寧に返ってきた。

当日、劇場での対応は日本並みに素晴らしくスムーズだった!まずそこに感激してしまった。受け取ったチケットを持って入場するとすぐに係員が来て席まで案内してくれた。

車イス観覧席から撮影した舞台。舞台奥に和太鼓が準備されていて、紫のライトアップで舞台が照らされている。

そして、Asacoの恒例行事になりつつあるが、男性係員チェック。今回も若くて感じが良くて男前!わたしの電話番号は一般人には渡せないので、スーパースマイルでお礼を伝えるにとどめた。笑

公演前に、お手洗いもチェック。車イス用観覧席からお手洗いも近くて清潔で使いやすい。(写真、取り忘れた!)

すでに、鼓童の公演が始まる前に満足、ご機嫌なAsacoだった。

公演

会場は満席に近かった。日本人らしき人も見かけたが、こんなに多くのイタリア人が日本の和太鼓に興味を持って観にきていることが素直に嬉しかった。

20分の休憩を挟む2部構成。1部の途中から涙があふれでてしまった。自分でも理由はよく分からないのだが、日本で彼らの公演を観たときもボロボロ涙があふれた。

拙い言葉で説明するなら、心の奥深くの繊細な何かに和太鼓の音が直接響くのだ。何度も何度も心の中に和太鼓の音が入ってくるので、心自体が透明になっていき、最後はパリン!と割れるような感じ。

夏祭りのお囃子でも涙がでてくることがある。

鼓童はお囃子の比ではない。和太鼓の数も多いし、力強さも半端ない。(もちろん男性の上半身の筋肉美は見逃さないAsacoである。)

公演後、鳴りやまない拍手の中、イタリア人たちは「Bravi!」(ブラービ:(才能などが)素晴らしいという意味)と叫んでいたので、わたしは「ありがとう!」と大声で叫んだ。周囲のイタリア人たちが一瞬、わたしを見たので、少し気恥しい思いはしたけど。。。だって、伝えずにはいられなかったんだもん!

公演後、ツイッターでは鼓童がリツイートしてくれた。

鼓童がリツイートしてくれた画像

少し個人的な感想を付け加えるなら、どうやらわたしは15年前の鼓童のスタイルの方が好みだということ。以前の方が今回の公演に比べれば和太鼓のみでシンプルだったように記憶している。

今回の公演では、和太鼓のほかにパーカッション、歌、ダンス、演劇のような表情や笑いがプラスされ、現代風にアレンジされていると感じた。15人のメンバーも若い人を中心に構成されているようだし女性は4名いた。

1年の1/3ずつ本拠地である佐渡、日本ツアー、世界ツアーで過ごすという。15年という時の流れや世代交代だけでなく、公演先の様々な国からの反響も前回と異なった印象を受けた理由かもしれない。世界へ発信したい内容が少しづつ変化していくのは当然のことかもしれない。

伝統を守りながら時代に合わせていく。わたしのように評価する側は好き勝手言えるけど、継続していく側は大変な努力をしているはずだ。

30年以上も継続し、そしてプロとして日本の伝統芸能を世界中に披露している。日本人として誇りに思う。

今回のツアーの動画ではないが、好きな鼓童の動画のひとつがこちら。

(筋肉美の堪能もお忘れなく)

感動の涙の後は清々しく心が穏やかになる。

鼓童のおかげでしばらくは純粋な心で生活できそうだ。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

Asaco

イタリアが好き。

2012年から
約8年間イタリア滞在、
現在は日本。

日本人へイタリア語の
イタリア人へ日本語の
オンラインレッスン受付中。

Webデザイン&製作。

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